第4章 勝てねぇぐらいがちょうどいい
「アウトオブバウンズ!白ボール!」
ホイッスルが吹かれる。火神のシュートは完璧に黄瀬のもとで制されていた。
「そろそろ認めたらどうっすか?今の君じゃキセキの世代に挑むとか10年早いっスわ。」
「なんだと!」
「この試合、もう点差は開くことはあっても縮まることはないっすよ。チームとしての戦略やフォーメーション依然にまずバスケは体格。つまり、サイズのスポーツ。君等誠凛とうちとじゃ五人のスペックが違いすぎる。唯一対抗できる可能性があったのは君ッスけど、だいたい実力は分かったっス。…ポテンシャルは認めるけど、俺には遠く及ばない。君がどんな技をやろうと、みれば俺はすぐに倍返しできる。どうあがいても俺には勝てねぇッスよ。ま、現実は甘くないってことっスよ。それに…君はしおりんの行為を無駄にしたみたいっス。」
圧倒的な実力の差、叶うことのない現実。勝てる見込みのない相手。キセキの世代、スモールフォワード。黄瀬涼太。
その壁は高く、いくら自分が高く壁を乗り越えようともそれは成長を続けるのであった。
不意に火神は笑いだし、皆の注目を集めた。