第4章 勝てねぇぐらいがちょうどいい
「…まずは黄瀬君ね。」
ホワイトボードに黒と白の磁石を置き、フォーメーションから見直す。
「火神でも押さえられないなんて、もう一人つけるか?」
「ちょっと待ってくれ!…ださい。」
「ださい?」
まずは黄瀬の攻略。それさえクリアすればあとは何とかいけるだろう。そう考えてのことだ。相手も同じことを考えているのだろう。黄瀬さえ攻略されなければ大丈夫。しかし、どちらも甘かった。紫苑の本領発揮はまだされていない。
「いえ、勝呂はあります。」
黒子も同じことを思っているかのように紫苑と目を合わせた。