第3章 本気です
紫苑「…ごめん。」
黄瀬「俺なら、上まで勝ち進んで会わせられるッスよ。てか、行けばいいじゃないッスか。」
床に座り込みながら黄瀬が言うと、紫苑は悲しげに眼を伏せた。
「お茶どうぞ。」
黄瀬「あ、ありがとうございます。」
小さなテーブルの上に紅茶とクッキーやら何やらが置かれる。
紫苑は起き上がるとそっとケータイを開いた。
もう癖になっている。
黄瀬「そうやって、いつまでも待ってるだけじゃ何も進まないッスよ。正直、俺に乗り換えてもいいんッスよ?そしたらいつでも会えるし。」
紫苑「…先に火神と黒子っちが約束してくれたんだ。必ず会わせるって。叶うのならば、また皆でバスケやりたい。今度は…勝つことが全てじゃなくて、楽しむことが全てのバスケ。」
黄瀬「…またあの火神ッスか。しおりんまでそんなこと言うんスね。ま、その理念を作り上げてしまった自分が許せない気持ちも分かるッスよ。」
紫苑「それに彩姉がいるでしょう。」