【うたプリ】歌い手Minori、トリップします……?
第3章 見知らぬ世界
これはまた、どういうことだ……。
トラックに撥ねられたのは覚えている。
でも、日向龍也と月宮林檎の前で撥ねられた覚えはないぞ。
日「だがな、一つだけおかしなことがある………」
貴「?」
月「貴女の格好からして学生だってことはわかったのだけど、学生証に書いてある住所も“中学校”もないのよ」
貴「はっ?」
あっ、やば、つい声に出しちゃった……。
………て、てか、何で中学校!?
僕高校生だぞ!!?
身長の問題か!?
確かにチビだと思うが、中学生に間違えられるのはきついぞ!!
貴「……僕、こう見えても高校生です(ムスッ」
「「はっ?/えっ?」」
ちょ、酷い。
二人そろって疑問符付けたの発するとか。
日「おい林檎、学生証には“夢咲中学校”って書かさってたよな?」
月「ええ、そのはずよ」
貴「えっ!?」
何故!?何故僕中学生!!?
………………もしかして、さっきの夢と関係ある……?
『その通りでございます、姫香』
貴「!?」
キョロキョロ
「「?」」
い、いない………。
でもさっきの声は、夢で聞いた声と同じ声……。
『こちらでございます。ほら、机の方』
机?
机に一体何があるって………。
貴「ペンダント……?」
日「ああ、そういえばお前が付けてたな」
月「素敵なペンダントね♪」
………このペンダント……。
チャラ
手にとってよく見てみると、セシルが持っているペンダントとよく似ている。
色は緑ではなく、薄紫色だけど………。
………まさか、これにミューズが宿っているとか………?
………ふっ、まさかね……。
『そのまさかでございます、姫香』
貴「!」
はっ!?えっ、何!?
ホントにミューズが宿ってるの!!?
『声に出さず、心の中で声を発するようお願いします。我の声は、ミューズに愛されし姫香にしか聞こえぬ故』
…………この僕がミューズに愛されし子、ねぇ……。
普通、元からこの世界にいる春歌ではないの?
『確かに彼女も愛されている子です』
あ、やっぱそうなんだ。
まあ、主人公だからそれも当然だよね。
『ですが、貴女の方が彼女よりも愛されている。だから、我は貴女と共にあらなければならないのです』