【うたプリ】歌い手Minori、トリップします……?
第4章 皆との1週間
黒崎蘭丸side
ガチャ
黒「ア゛~、つっかれたー!!姫香ー!茶ぁ!!」
シーーン
黒「…………姫香?」
………おかしい。
いつもだったら、玄関まで来て「お帰り」と言ってくれるあいつが来ないなんて。
いないのか………?
だが、昨日あいつは倒れたばっかだぞ?
…………嫌な予感がする…。
そう感じた俺は急いでリビングに行った。
黒「いない………」
その後サロンやキッチン、部屋にも行ってみたが、あいつは……、姫香はいなかった。
黒「あいつ………、本当に外に出かけたのか……?…………くそっ!!」
バタン!!
じっとしてても仕方ねぇ。
そう思った俺は外に飛び出した。
無茶してまた倒れてねぇか、それが心配だった。
まして昨日の夜の姫香の様子は、どこかおかしかった。
だから、余計心配に感じる。
黒「どこ行きやがった………!!」
俺は姫香が見つからず、焦り始めた。
だがそんな時、どこかしらか“何かが”聞こえてきた。
♪~~
黒「…………歌?」
耳を澄まして聞いてみると、それは“歌”だった。
この歌………。
どこか聞き覚えのある歌だと思った俺は、歌のする方へ行ってみた。
寮の敷地内からギリギリ出ていない所に立っていたのは、一人の女だった。
黒「姫香か………?」
「蘭丸………?」
俺はそいつを姫香だと思い、声を掛けた。
俺の声で振り返ったのは、やはり姫香だった。
黒「何勝手にうろちょろしてんだ」
貴「別にいいじゃん。寮の敷地内から出てないんだし」
そういう姫香は、どこか元気がなかった。
顔色も、あまりよくねぇ。
早く戻んねえと、更に体調悪くするぞ。
黒「ほら、戻んぞ」
貴「…………蘭丸」
黒「あ?なんだよ」
貴「………ちょっと、話聞いてくれる?」
そう聞いてくる姫香は、どこか悲しいそうだった。
姫香の一人称が“僕”なだけあって、いつもは女らしさ?っつうのが薄かった。
だが今は、女らしい笑みっつうか、儚い雰囲気だった。
黒「………良いぜ。付き合ってやる」
貴「…………ありがとう(微笑」
クシャッ
そう言う姫香の頭を、俺は思いっきり撫でた。
髪が乱れるとか言ってたが、関係ねぇ。
ちゃんと聞いてやるから、全部吐き出せ。