【うたプリ】歌い手Minori、トリップします……?
第4章 皆との1週間
それからは、少しだけ他愛もない話をした。
皆、僕が倒れた原因については聞いてこなかった。
多分、僕から話してくれるのを待っているのだろう。
…………でも話すとなると、僕がトリップしてきたことも話す必要がある。
別に話さなくても問題はないのだろうけど、藍のことだからきっと何か調べるはず。
そしたら、僕の言う『美音家』が存在しないことに気づかれる。
どちらにしろ、このまま隠せる話でもない。
…………それでも、怖いな……。
皆に拒絶されないかが、不安だ…………。
話すか、話さないか…………。
貴「………皆、今日は本当にゴメン。少し疲れたから、もう寝るね」
寿「……………わかった。お休み」
黒「ゆっくり休めよ」
美「お休み、ヒメカ」
カ「また倒れることが無いよう、ゆっくり休め」
貴「ありがとう。じゃ、おやすみ」
バタン
……………………はぁ。
どうしよう………。
どうしても今日は話す気にはなれなかったし、といって明日だったら、って感じにはなれないし……。
林ちゃんや龍也さんだったら、話せるかな………?
どうせシャイニーさんだったら、もうこのことに気付いてるかもしれないし………。
でも、そう簡単に話せるほど僕は強くない………。
………あぁ、止めた止めた。
もう考えるのは止めよう。
これ以上考えてたら頭パンクする。
寝れば、すっきりするだろうし…………。
そう考えた僕は部屋に戻り、寝ることにした。
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貴「う、うぅ~~ん………。はぁ」
目覚ましの音で目が覚め起きると、空は真っ暗。
完全に曇り空だ。
貴「確か今日、皆仕事だよね………。散歩、しに行こうかな………」
今、あまりにもじっとしているのが嫌だった僕は寮の周りを歩くことにした。
寮の周りをちゃんと見たことはなかったので、良い機会だ。
それに………、じっとしていればまた色々考えそうだし……。
ガチャ
シーーン
部屋のドアを開けても、誰の声も聞こえない。
どうやら、皆仕事に行ったようだ。
貴「良かった……。誰もいない……」
昨日倒れた僕は、簡単に外に出してもらえないだろう。
心配性な皆のことだから、絶対そうなる。
だから、皆がいないうちに行こう。