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【うたプリ】歌い手Minori、トリップします……?

第4章 皆との1週間


――数分前


貴「…………っ………。ここは………」


ここ、僕の部屋だ………。

そっか、僕、倒れて藍に運んでもらって、看病してもらったんだ。

症状で見れば風邪なんだろうけど、別にそういうのではないと思う。

熱が出た原因としては、僕の………、“私”としての記憶を思い出したことだろう。


世に言う僕は、『記憶喪失』なのだ。

前にいた世界での初めの記憶は、“病室”だった。

目覚めた僕は、何故ここにいるのか、自分自身のことすらわからなかった。

そんな時、“私”を発見してくれた“美音夫婦”に出会って、記憶のない“僕”を引き取ってくれた。

名前や誕生日に関しては、当時の僕の荷物から分かったらしい。

出身地に関しては、美音夫婦と出会った“青森県”ということにした。

それからは東京に引っ越して高校に通い、今に至る。

つまり僕は高校以前の、実の両親や友達、小学校や中学校のことが一切わからないということだ。


………でも、おかしい。

トリップしてきた僕が、何故ここで“実の両親”に会うのだろう。

思い出した記憶は、小学校卒業までだ。

中学校の記憶は、まだ思い出せない。

全てを思い出した時、何かわかるのだろうか?

それとも、あの女の人が嘘を付いたのだろうか?

………だったら、何故あんなにも僕は取り乱した?

心の奥底では、あの女の人について何かしら認識しているってことなのではないか?

…………………わからない。

僕は一体、何者なんだ……?


…………このまま考えるのも嫌になった僕は、皆がいるであろうリビングに向かった。

何故リビングにいると考えたかはわからないけど、直感で感じた。


キーーッ


「…………皆?」

カ「!、姫香!?」

寿「ヒメちゃん!?」

黒「おい!起きて大丈夫なのか!?」

美「無理しないで」


いた。

僕の直感は正しかったようで、皆は僕の姿を見た途端駆けつけてきた。


貴「大丈夫。藍や嶺二の看病のおかげでね」

寿「良かった~(ホッ」


僕が答えると嶺二は心底安心したのか、ホッとしている。

声には出してないけど、皆もホッとしている感じだ。

………心配、してくれたんだ。


貴「今日はゴメンね、藍」

美「別に。君の様子に気づけなかったボクも悪いから」
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