【うたプリ】歌い手Minori、トリップします……?
第4章 皆との1週間
寿嶺二side
さっき、ヒメちゃんをお姫様抱っこした状態でアイアイが帰ってきた。
アイアイにお姫様抱っこあれているヒメちゃんは、ぐったりしていた。
アイアイは急に倒れたとか言ってたけど、大丈夫かな?
風邪でも引いたのかな?
早いとこ、タオル持って行ってあげなきゃ。
女子寮に入るのは気が引けるけど、緊急事態だもんね!!
コンコン
ガチャ
念のためノックして中に入ると、ベットで寝ているヒメちゃんと、看病しているアイアイがいた。
寿「ヒメちゃんの容態は?」
美「37.8度。ヒメカの通常体温は36.6度だから、割と高いね」
寿「風邪かな?」
美「わからない」
寿「わからない?」
美「うん………」
自信なさげに答えるアイアイ。
今まで、こんなアイアイ見たことない。
倒れたことに、自分にも責任感じてるのかな?
寿「何で倒れちゃったのかは知らないけど、少なくとも、アイアイだけのせいではないよ」
美「でも………。途中から様子が変だってことは気づいてた。それでも、何もできなかった………」
寿「アイアイ………」
こんなアイアイ、いつものアイアイじゃない。
倒れる直前、何かあったのかな?
寿「何かあったの?」
美「………女の人」
寿「女の人?」
美「ある女の人に会ってから、ヒメカの様子は急変した」
女の人、ねぇ………。
その女の人と昔、何かあったとか?
美「その人は、自分でヒメカの実の母親だと名乗った」
寿「母親?」
実の母親に会って、様子が変わった?
普通だったら考えられないな~……。
でも考えられるとしたら、その実の母親と何かがあった。
そもそも、ぼくたちはヒメちゃんのことを何も知らない。
知っていることは、彼女の名前と“Minori”であるということ。
美「でも、その人は自分の名前を“紫音姫莉”と名乗った」
寿「えっ?“美音”じゃなくて?」
美「うん」
じゃあやっぱり何かあったんだ。
実の母親だとして、苗字が違うなんて早々ない。
寿「色々疑問点は多いけど、今はヒメちゃんの熱を下げることが優先だ」
美「わかってるさ、そんなこと」
早く治してぼくたちにちゃんと教えてよね、ヒメちゃん。