【うたプリ】歌い手Minori、トリップします……?
第4章 皆との1週間
美風藍side
バタン
ヒメカが「………僕は、一体………、誰……?」と言うと、急に倒れた。
そこにいてヒメカと話していた女の人は、いつの間にかいなくなっていた。
美「ヒメカ!!」
女の人は今はどうでもいいと、それよりヒメカだと思ったボクは、ヒメカに話しかけた。
でも、反応は無し。
全身から力が抜けて、ぐったりしている。
完全に意識を失っている。
美「脈拍急上昇。熱も上がってきている。これは、急いで帰った方が良いね……」
貴「はぁ………はぁ………」
症状だけで見れば風邪にも見える。
けど、ショッピング中は大丈夫そうだった。
様子がおかしくなったのは、外に出てから。
明らかにおかしくなったのは、女の人と会ってから。
貴「………お母、さん…………」
お母さん………?
それって、さっきの人のこと?
あの女の人もそう言ってたし……。
でも、その割には様子がかなり変だ。
普通の親子なら、もっと仲がいいもののはず。
親子がどんなモノか詳しくはわからないけど、あれは絶対可笑しい。
ヒメカとさっきの女の人の雰囲気からして、昔何かあった?
貴「はぁ……、はぁ…………」
………今は考える時ではない。
まずは、ヒメカを何とかしなくちゃ。
ボクは彼女を抱えて、寮に向かって走り出した。
ここから寮まで、走って10分もかからないだろう。
・
・
・
バタン!!
貴「はぁ………、はぁ………」
まずい、さっきより脈拍が上がってきている。
どんどん熱も上がってきている。
急いでいたとはいえ、もう少しヒメカに負担かけないよう走ればよかった。
寿「おっ帰り~!買い物楽しかった?………って、ヒメちゃん!!?」
ボクに抱えられているヒメカを見て驚いたのか、レイジが声を上げた。
美「レイジうるさい。ヒメカの体に響く」
寿「あっ、ゴメン。………で、ヒメちゃんどうしたの?」
落ち着いたのか、冷静に聞いてくるレイジ。
美「急に倒れた。熱も上がってきている。汗とりたいから、タオル用意してくれる?」
寿「あいあいさー!!」
ビュン
そう言うとレイジは、すぐさま走っていった。
ボクは早いとこ、部屋にヒメカを運ぼう。