【うたプリ】歌い手Minori、トリップします……?
第4章 皆との1週間
あの後デパートに向かい、今は楽器屋のところ。
貴「いっぱいあるな~……」
美「かなり大きいデパートだったけど、予想以上の品ぞろえだね」
かなり大きいデパートだってのはわかってたけど、楽器だけでもかなりある。
しかも、どれもこれも良い音が出る楽器ばかりだ。
手入れも行き届いている。
どれを買おうか悩みながら見ていると、目についた楽器は『ピアノ』。
寮の部屋にも、ましてやサロンにまである“ピアノ”だが、音楽をやっていくうえで僕に一番馴染み深い楽器だ。
試しに音を出してみると、それはとても綺麗なものだった。
他にも、マラカスやベース、シンセサイザーやチェロなど、皆の得意楽器もあった。
美「どれを買うか決まったの?」
貴「……まだ(苦笑」
僕としてはあのピアノも欲しいんだけど、皆の得意楽器も弾いてみたいていう気持ちもあって、中々決まらない。
ちなみに、この事は誰にも言ってない。
だって、恥ずかしいし………//
美「ふぅ~ん、ヒメカ、そんなこと思ってたんだ」
貴「へっ!?//」
………もしかして、声に出てたパターンかな?
美「想像通りだと思うけど」
貴「//」
僕の顔は今頃、恥ずかしさで真っ赤だろう。
こんな顔を藍に見られるなんて、一生の不覚。
藍のことだし、これ使って脅しとかありそうだし……。
美(可愛い………//……って、ボクはなにを考えてるんだ……)
と、藍が心の中で葛藤していたのを僕は当然知らなかった。
……………それにしても、どうしようか?
このままここにいても決めれる自信ないし、今日のところはいいか。
僕としては、ここを見れただけでかなり満足。
貴「藍、もう良いよ。でよっか」
美「………あ、うん」
…………藍?一体どうしたんだろう。
いつもだったらすぐ反応するのに、今は反応が遅れた。
何か考え事、かな?
貴「悩みがあるなら言ってよ。力になれる保証はないけど、藍が心配だから」
美「ありがとう。でも大丈夫、何も無いよ」
そう言う藍は、嘘を付いているように見えなかった。
なら、僕の思い過ごしかな?
美(こんなこと、ヒメカに言ってもしょうがないし……。はぁ……。どかこ変になったのかな?博士に相談しよう)