【うたプリ】歌い手Minori、トリップします……?
第3章 見知らぬ世界
早「Miss.ハルネが“歌い手Minori”ということは、よーーくわかりまーーした!なのでYouには、アイドルになってもらいまーーす!!」
貴「…………」
来た、シャイニーさんの無茶ぶり。
でも、これは予想外ではない。
僕が歌い手Minoriってことを言ったら、その歌唱力を使うとは考えられた。
でも、僕は人見知りな部分がある。
大勢の前で歌うってなるのは、正直自信がない。
だから、アイドルになることはできない。
でも、このまま見逃してくれることはないだろう。
なら、僕がやることはただ一つ――。
貴「………あの、シャイニーさん」
早「んんー?なんですかーー、Miss.ハルネ」
言うんだ、自分の気持ちを。
アイドルになることはできないけれど、違う道ならできるからって。
貴「僕は、アイドルにはなれません。僕はこう見えて、人付き合いが苦手です。今こうしていられるのは、僕が一方的に貴方達の事を知っていたからということが大きな理由」
初対面の人は無理だって思ってたけど、思っていた以上に打ち解けられた(気がする)。
それはやはり、貴方達の事を知っていたからだと思う。
早「ならならー、作曲家にでもなりますかーー?」
貴「“ただの”作曲家にもなりません」
早「!、なら何になるというですかーー?」
只の作曲家になるつもりは微塵もない。
折角僕の、“Minori”の歌唱力を認めてもらえたんだ。
事務所に入るからには、ニコ動での活動を止めらなければならないかな?って思ってたけど、もったいない気がする。
自分で自分が有名だってことを認めるのは自意識過剰でちょっと嫌だけど、折角だからこれを利用したい。
貴「僕は、“歌い手Minori”としてこれからも歌っていき、尚且つ作曲もしていきたい」
「!?」
これが、今の僕の気持ち。
作曲はしたことないけど、この世界で生きていくためには必要になる技術だと思う。
無くても困ることはないだろうけど、あった方が断然有利だ。
早「ぬあーはっはっはっ!!それはveryvery面白そうでーす!!よかばってん!!頑張ってちょーだーーい!!!」
貴「!、はい!!」
早「ではでは、アデューー!!」
パリーン
………シャイニーさんの退場の仕方は、窓を破っていくことしかないのだろうか?