【うたプリ】歌い手Minori、トリップします……?
第3章 見知らぬ世界
僕だって、嫌々ながら有名人ってことは“多少”認めてる。
君たちほど有名人とは微塵も思ってないけど。(彼女が自覚してないだけで、かなり有名人です)
寿「すっごーい!!僕ちん、Minoriの大ファンなんだ!サイン頂戴!!」
貴「…………えっと~、ファンって言ってもらえたのは恐縮です。サインはちょっと;;」
寿「そっか…………(ショボーン」
…………えっ、ちょ、これ、どうすればいいの!?
なんか寿先輩ショボンってしちゃったよ!!?
サインあげれないから幻滅しちゃった!!?
美「彼女があのMinoriとはね。ねえ、後で歌聞かせて。動画と実物のデータを比べてみたい」
貴「あっ、はい。わかりました」
後で歌うつもりではいたけど、歌って欲しいと言われるとは思わなかった。
いや、だって歌わなきゃ信じてもらえないと思ってたし。
現にほら、黒崎先輩とカミュ先輩は納得いってないって顔してる。
黒「そうだな。歌えば本物かどうかわかる」
カ「ふん。Minoriはそこらの愚民とは全然違うからな。俺からすれば、お前がMinoriとは到底思えぬな」
ほら、こんな感じ。
いや、でもさ、これが普通の反応。
Minoriもそこそこ有名人だから、そんな人と一般ピーポーにしか見えない僕とじゃ違うって思うよ。
ミューズに愛されてるってのは謎だけど。
心底謎にしか思えないけど。
大事なことなので二回言いました。
早「ではでは、歌ってもらいましょーー!!」
貴「あっ、それならピアノあります?」
月「ピアノ?それならサロンにあるわよ」
流石マスターコース。
ピアノぐらいやっぱあるんだ。
折角だから、ピアノ弾きながら歌おうかなと思って。
ここに来る前は、演奏の方upするつもりだったし。
寿「もしかしてー、弾きながら歌ってくれるとか!?」
貴「はい。近々、弾いてみましたの17曲目として、“放課後ストライド”をやるつもりだったので」
これは紛れもない事実。
16曲目を出してから、全然“弾いてみました”やってなかったからね。
黒「お前に弾けるのか?」
黒崎先輩が、僕を試すような目で聞いてくる。
この答えは、既に決まってる。
貴「これでもMinoriですよ?弾けるに決まってます」
黒「上等だ(ニヤッ」