第3章 見知らぬ世界

黒バスに例えればわかりやすいだろうか。

僕の世界では“うま〇棒”だが、黒バスの世界では“まいう棒”だったろ?

つまり、そういうことだ。


貴「みち〇く銀行ではなく、みちのり銀行ねぇ……」


まあ、ちゃんと通帳もあることだし、お金に関しては心配はいらないな。

…………でもまあ、そんなことよりアイドルか作曲家のどちらかなんて面倒だなあ。

楽しそうではあるけど、人前で歌うなんてちょっと厳しいし、曲なんて作ったことないしなあ。

どっちを選ぶにしろ、かなりの覚悟は必要だな。


貴「…………そういえば」


歌で思い出したけど、ニコ動はどうなってるんだろう。

ニコ〇コ動画、略してニコ動。

スマホを起動してみてみると、ニコ動のアプリ“は”あった。

でも、やはりというべきか、名前が違う。


貴「ニッコニコ動画…………」


略してニコ動っていうのは同じみたいけど、名前;;

ニコニ〇動画からレベル上がって、ニッコニコ動画になったのか?

自分で言っておきながら、吹きそうになったぞ。


…………まあ、一回見てみるか。

どれだけupした状態になってるか気になる。

てか、この世界にMinoriがいるかどうかが気になる。

世界が違うから普通は存在しないんだろうけど、あのミューズのことだ。

世界観を繋げることぐらいできるのではないか?

だって、一度死んだはずの人間を生き返らせてしかもトリップさせた人間………っていうか、女神だぞ?

………話し方的に、男って言われた方がしっくりくるけど。


貴「…………あった」


自分がupした動画がちゃんと残ってる。

しかも全部。

若返りトリップしたのに動画はちゃんと残ってるって、絶対変。

念のため検索してみると、“歌い手Minori”の動画があった。


貴「……………はぁ」


…………どうしよう。

アイドルか作曲家にならなければいけないというのに、歌い手の活動なんて厳しすぎる。

………てか、このこと知られればアイドルにさせられそう、強制的に。


…………はぁ。

今日はもう寝て、明日じっくり考えよう。

まだ退院まで時間はあるし。

うん、そうしよう。

もう現実逃避しよう。

考えるの嫌だし面倒。