第17章 その黒は、心を支配する。(夜久衛輔)
面倒見が良いのはわかる。
それがアイツの長所だし、好きな所でもある。
だけど二人が並んでいる姿を見る度に俺といるよりリエーフといる方が絵になるって思ってしまうから。
黒い感情がどんどん胸に渦巻いて支配する。
その『黒』は俺の頭までおかしくさせていくんだ。
奥歯をギリリと噛み締めた。
お前が悪い、
そんな風にリエーフに笑い掛けるから。
お前が悪い、
無防備な姿をリエーフの前で晒すから。
そう、全部。
「が、悪い…」
ーーーーーー『その黒は、心を支配する』