第16章 今度は君の手を引いて。(白布賢二郎)
「ん……っ」
「……………っ」
お互いに夢中になって唇を求める。
ここが女子寮で、誰かに気づかれる可能性だって少なくない。
白布の理性はギリギリの所でまだ保たれていた。
「賢ちゃん…っ、」
「……っ、」
潤んだ目でこっちを見上げないで欲しい。
折角我慢してるって言うのに、それじゃもっと触れたくなる。
「これ以ーーー」
「触って、欲しい……賢ちゃん…」
「…ーっ!」
これ以上は、そう口にしようとした白布の言葉を遮っては呟いた。
白布の手を自分の胸へと引き寄せて。
「…いいのかよ、ホントに…」
ここでこんな事を聞くのは野暮かもしれない、そう思ったけれど白布はもう一度彼女の口から聞きたかったのだ。
「いい……賢ちゃんがいいの…、好き…」
その言葉を。
「んっあ…っ!あぁ…んっ」
「声…あんま出すなよ……外に、聞こえる」
「ご、め…っ、でも…はぁ…っん…っ!」
服の中に滑り込ませた手は迷いなく柔らかな膨らみを捉える。
は口を出る甘い声を抑えようと必死に手で口を塞ぐ。
「そうするなら、こっちにしとけよ」
「…えっ…あ、んん…………ぅっ」
の手を退かし、白布は自分の唇でのそれを塞ぐ。
絡み合う舌、キスがこんなに気持ちが良いものだなんて初めて知った。
「んん…っ!」
白布の指が固くなったの胸の頂を弾く。
服を捲り上げれば露になる淡いピンク色の下着。
その下着毎胸に触れれば、その柔らかさに白布は思わず息を飲んだ。
すっぽりと手に収まるサイズの胸をまじまじと見つめているとの申し訳なさそうな声が耳に届いた。
「あの…私、胸、そんなに大きくないから…ごめ…」
自分の胸では白布が欲情出来ないかもしれない。
黙って見つめる白布には小さな不安を覚えた。
そんなの考えを察した白布は彼女の細い手首を掴んで自分の下半身へと持っていく。
「け、賢ちゃん…?」
そこにはその綺麗な顔に似つかわしくない程に猛った、白布の雄。