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蜜月の熱に酔わされて。(ハイキュー R-18)

第13章 君と始める恋愛物語。(岩泉一)



「おかえり」
「…!」

情事の後、岩泉は旧音楽室にを残し体育館へ戻った。
手には二人分の鞄。

誰かに引き止められたら面倒だ、そう思ってすぐに彼女の待つ場所へと引き返す所だった。
だが、それを一番面倒なヤツに見つかった。

及川が腰に手を当てて岩泉に視線を送る。
サーブを一人黙々と打っていたのか、床にはたくさんのボールが転がっていた。

「…ちゃんは?」
「…お前には関係ねぇだろ」
「暫く歩けないほど無理させちゃったんだ?」
「おまっ……!」
「安心して良いよ、岩ちゃんとちゃんの為にちょっかい掛けてたんだから」
「は……?」

つまり、腐れ縁のこの幼馴染みには自分の気持ちなんて筒抜けだったと言う事らしい。
上からモノを言われている様でムカついたのと、恥ずかしさとで岩泉は思い切り及川にボールをぶつけた。

「いったぁーっ!!」
「余計な事してんじゃねぇ!クソ川!!」
「えーっ!結果ハッピーエンドじゃん!」

体育館を飛び出した岩泉の背中を及川は笑顔で見送る。

の待つ旧音楽室へ向かう岩泉の頭に及川の言葉が巡る。





『ハッピーエンド』





自分ととの間には始まらないと思っていた物語を及川はハッピーエンドだと言った。
階段を昇りながら、岩泉は小さく笑みを溢した。


「……終わりじゃねぇよ」


そう、自分達のこの物語は。





「これからだっつーの!」







愛しい彼女へと繋がる廊下を岩泉は全力で駆け抜けた。






END




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