第11章 再び窓は閉められた。(国見英)
離れてしまったら、自分達の関係の名は何になるのだろう。
昔よく遊んでいた、幼馴染み。
それは、友達よりも上なのだろうか下なのだろうか。
「英……?」
「なぁ」
「え…?」
「お前の隣…違うヤツが居座んの、ヤなんだけど、俺」
「え…?隣…って…?う、ひゃ!?」
床にいたの腕を掴んでベッドへと引き上げる。
ポスンと並んで座る事になったは目をパチパチさせていた。
「何、うひゃって」
「だって英が、急に引っ張るから…!あ、隣ってこーゆー事…?」
「ホント…その鈍さどうにかなんないのかよ…」
「あ、きら…?」
はトン、と肩を押され視界が揺れた。
定まった時に見えたのは天井と、国見の顔。
「お前がやりたい事はわかった、でも…隠してた事には怒ってる」
「ご、ごめん……」
「それから……あぁ、もういいや…」
何かを言いかけて、国見はやめる。
鈍すぎるこの目の前の彼女には言葉よりも態度で示した方が伝わるのだ。
「んっ……んん…?!」
「………」
「…っは、ちょ…英?!」
「ちゃんと口開けてよ、舌入んないじゃん」
「し、舌…って……んんっ…!」
突然重ねられた唇。
言葉の合間に滑り込まされた国見の舌はを翻弄する。
「お前は、俺の事…わかってるようでわかってない」
「えっえっえっ…?あき…ひゃあっ…!」
カーディガンの裾から中へと入れられた手に自分とは思えない声が出てしまう。
は慌てて両手で口を押さえた。
キスの意味、言葉の意味を考えながら国見の顔を見ると、その眉間には皺が寄せられていて。
機嫌がよろしくない、と言う事だけはわかる。
そうこうしてる間に、プチンと言う音。
それと共に感じる開放感。
「あ、英…!待って……!?」
「わかりました、なんて言ってやめると思う?」
「……あっ」
抵抗しようと伸ばした両手は簡単に国見の片手で頭の上で纏められてしまった。
そして、空いているもう片方の手は服の中をモゾモゾと動いている。
「んっ…」
自分よりも冷たい国見の手が素肌に触れる度に声が出てしまう。
恥ずかしくて顔を隠したくても両手は自由がきかない。
は顔を背けるしかなかった。