第10章 日常小話、幸せ話。(灰羽リエーフ)
たっぷりと潤った蜜壺にずぷりと腰を沈める。
毎回この瞬間が気持ち良すぎてイキそうになるけど、今回も耐えられた。
『腕は…ここ、動きます、よ…っ』
『あぁっ!ふ、ぁ…っリエ…リエーフ…んっ!』
半開きのさんの口から唾液が溢れて顎に伝う。
腰を動かしながら俺はそれを舐めとった。
強弱をつけたり、奥で止めてグリグリと腰を回してみたり。
俺の動きに合わせてさんは甘い声をあげた。
『ひ、あぁっ…!だめぇ、リエー…ソコ、あぁんっ!』
『イイ、の間違いでしょ…俺もっ、あんまもたない、から…一緒にイこ…?』
返事の代わりにぎゅうっと必死にしがみついて俺から離れまいとする彼女の姿が堪らなく愛おしい。
『…っ、さん…っ!』
『ん、ぁ…っ!リエー、フ…っ!』
お互いの名前を呼び合って、同時に果てた。
こんな幸せな事って…ないでしょ?
「リエーフ…っ!」
彼女の声が聞こえて視線を向けると、こっちに向かって笑って走り寄ってくる姿が見えた。
となると、彼女を思いながら待つ時間もこれでおしまい。
「リエーフ!コンクール…行ける!最終通った…!」
「さんっ!おめでとうございます!」
あの時うまく行かなかった事だって、今回彼女はちゃんと自分の力でクリアしたんだ。
「ありがとう…リエーフの、おかげ」
「俺はなんもしてないっすよ」
「ううん…リエーフが応援してくれたから私、頑張れたよ」
「じゃあ今日は俺が甘えていーすか?」
顔を見合わせて笑い合う。
手を絡め合って歩き出す。
向かう先はいつもの彼女の家。
これが俺達の日常。
あ…!し・あ・わ・せ・な!日常です!!
END