第9章 シンクロハートビート。(菅原孝支)
「ん…っ、はぁ…先、ぱ…ぁんっ…!」
カーディガンも、その下のシャツも下着も。
私達の間にあったモノは全部取り払われて肌と肌が直接触れ合う。
今までで一番近い、先輩との距離。
時刻は15時。
まだまだ高い太陽の光を遮るように、菅原先輩はカーテンを閉めた。
ピンク色のカーテンの影をを映した先輩の顔はドキッとするほど色っぽくて、白い先輩の肌も恥ずかしくて中々直視出来ない。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、菅原先輩の手は私の体の上を滑っていく。
頬、首筋、肩、鎖骨。
その優し過ぎる程の小さな刺激が、私の欲を駆り立てる。
「んっ…!すが、わら…先ぱ…あぁっ…」
「うん…我慢しないで、全部俺に見せて」
先輩の手が、胸に触れる。
その手から私の速過ぎる鼓動が伝わってないだろうか。
緊張してるの、バレバレだよね…。
あぁ、私余計な事ばかり考えちゃってる…。
「」
「……っ」
「大丈夫、俺も…おんなじ」
そう言って先輩は私の手を取って自分の胸へ当てた。
あ…。
掌に伝わる、菅原先輩の鼓動。
私と同じ様に…とっても速い。
目が合うと「ねっ?」と首を傾げて先輩が微笑んでくれた。
ドキドキしてるのは私だけじゃないんだ。
先輩も、同じなんだ。
そう思ったら体からスッと力が抜けて、少し落ち着いてきた。
「んっ…!あぁっ…!」
「俺だって好きな子に触るんだ、ドキドキするに決まってる…」
片方の胸の頂をきゅっと摘ままれる。
初めて知る刺激に思わず体が仰け反ってしまう。
「気持ちいい?」
「わか…んなあっ…!ひゃあ…んっ!」
ペロリと先輩の舌が首筋を這う。
知らない感覚、知らない刺激。
それは徐々に快感へと変わっていく。
「あぁっ…ん!はぁ…っ!」
ピチャピチャと音を立てながら胸の頂を舐める菅原先輩。
自分の声とは思えない声が漏れてしまう。
知らない自分。
この先どうなってしまうのか怖いけど…それよりも先輩に、触れたい。
「せんぱ…い……」
腕を伸ばして菅原先輩の頬に手を添えて自ら先輩にキスをする。
「…っ!反則…だぞ、今の」
かぁっと先輩の顔が赤くなって、私はそれがすごく嬉しかったんだ。