第2章 口内炎
戴冠式の日の夜、中庭でロづけられた挙句唇を噛まれた暫く後。
メアがイナコまでついてくるやら爆破事件やらでごたごたがあって、そのストレスと解放された気の緩みもあったんだと思う。
(ああもう…口内炎できちゃった)
少し唇を動かすと引きつるように痛い。噛まれた部分は数日の間じんじんと傷んだ後、一時は治るかと思われたが、少しずつ広がって完全に口内炎になってしまっていた。
ちょっと噛まれた私でもこうなのに、思いっきり自分の口を噛んでいたメアなんて、きっと未だに治っていないに違いない。
ただでさえ偏食気味で栄養不足なんだし。
そうだ、これをダシにしてちゃんとご飯食べるように言ってみようかな。丁度メアの部屋に行く用事があったから聞いてみる事にした。