• テキストサイズ

If he is……【声優さんのもしもシリーズ】

第2章 If 木村良平 is ヤンデレ……


目を覚ますと、私は監禁されていた。

『え!?なに………え、はあ!?』

なぜか腕は後ろで縛られ、足も紐で固く結ばれた状態でベッドの上に横たわっていた。部屋の電気は付いてないし、おまけに暗幕カーテンで窓も締め切られているから、今の時刻も分からない。なにより、この状況が分からない。

理不尽すぎる。

いやいや、待て待て待て。
幸いと呼んでもいいのか、口は塞がれていない。どんどん目も暗い所に慣れてきた。ここはどうやら、アパート、またはマンションの一室のようだ。叫べば、助けてもらえるかもしれない。

すぅっと大きく息を吸い込む。
そして、叫ぼうとしたその時。

「あ〜………無駄なことは止めた方がいいよ?」

『ふぇええええ………?』

肺いっぱいに吸い込んだ空気が行く宛もなく吐き出せれ、なんともお間抜けな感じの声が出た。

『りょ、良平くん!?』

現れたのはなんと、良平くん。
私の彼氏さんだ。

「おはよ、スズ♪よく眠れた?」

おおっと?
んー…………、あんまり考えたくないんだけど………。

『私を監禁したのって…………』

「俺、だよ♪」

なんとも爽やかないつも通りの笑顔を浮かべ、あっさりと自分がしたと認める。こんな風に言われてしまっては、怒る気も湧かない。

『ほぉ………』

なぜだろう。
不思議と恐怖さえ湧かない。

例え、こんなことをされようとも彼を好きだからだろうか。だとしたら、なんて歪んだ愛なんだろう。私は少し自嘲気味に微笑んだ。
/ 11ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp