第2章 If 木村良平 is ヤンデレ……
答えてくれるとは思ってはないけど、まあ一応。
『どうして私を監禁したの?』
「さあ?どうしてだろうね?」
良平くんが今度は、爽やかさ+意味深な笑みを浮かべる。私は少々大袈裟に肩をすくめてみせた。
『んー………困ったなぁ』
私がなにかしただろうか。
……………まあ、ないとは言えないのが事実なんだけど、監禁されるほどのことって……なに?
『あ…………』
もし、もしね。
もしだよ?
もし、良平くんがヤンデレ………とかいう素質があるとするならば………
心当たりがある。
*
*
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【2ヶ月前】
『良平くん!聞いて聞いて!』
「どうしたのー?そんなに嬉しそうな顔しちゃって」
わかるー?と私はわざとらしく両手で顔を隠した。
『あのね!実は今日………岡本くんに可愛いって褒めてもらったの!』
これは嬉しいことだ。
良平くんの彼女として、少しは彼に釣り合ってるのかな、と思えたから私は一番に彼に報告した。よかったね、っていつもみたいに笑って頭撫でて貰えることを期待して。
「………ふーん、のぶに?あっそ、よかったね」
でも、良平くんの反応は私の期待していたのとは全く逆だった。
『う、うん………それだけ』
これで、終わればよかったんだ。
これで終われば………。
私はそれからというものの、岡本くんと更に仲良くなってどうやったら良平くんに喜んでもらえるかをよく相談した。そう、良平くんには内緒で。
そして、その密会がバレたのが一週間前。もちろん喧嘩もした。
そして、昨日…………
飲みに誘われた。
謝りたいから、と。
おそらく……………
いや、絶対に!
私が酒に弱いのを知っていて、強いアルコールのものばっかり飲ませて、私を寝かしたんだ!!