第1章 変わらない場所
そして教室に入り、席順を見るとまたしても漫画のような展開が……
まぁ、岩泉、及川、影山だから、席が近くなることはあり得るんだけど……
私の席の隣が一で、一の後ろの席が徹……
近くなるとかの次元じゃない……
「真輝ちゃん♡
やっぱり、運命だよね! この席の近さ!」
「苗字の都合だから…
運命とかじゃないから……」
「そんなに照れなくてもいいのに〜♪」
「「なんか、腹立つ………」」
「なに⁉︎ 2人でシンクロしちゃって〜
及川さんだけ仲間外れ⁉︎」
「「ウザイから……」」
「もう、2人のことなんて知らないからね!」
「「どーぞー」」
「ひどいっ!
そこは、引き止めるところでしょ‼︎」
「及川くぅ〜ん 同じクラスだし、これからよろしくね♡♡
せっかくだし、連絡先交換しよっ♡♡」
と、同じクラスの女子なのであろう女の子たちが徹に話しかけてきた
やっぱり、今年の男子バレー部のマネージャーは、豊作そうだ
なんだろう……
この胸の奥の方で何かがモヤモヤしてる………
「及川はさ、適当に言ってるように聞こえてもちゃんと考えてると俺は思ってる」
「へ?」
一がいきなり変なこと言うからへんな声が出た
「いや……
マネージャーの件な……
何かしらあいつも考えて言ったのかなって思ってさ」
「うん………」
「でも、決めるのはお前にしか出来ねーからな」
「うん…… ありがとう」
なんだか言いたくなった…
どの一言に対してなのかは、自分でも分からないけど……
「お礼言われることなんて何にもしてねーよ」