第3章 ちょっとだけ

「あの約束、忘れちゃったの？」

は？
忘れてないから、ここにいるんじゃんか！

「忘れてるわけないじゃん！」

「やっぱり、真輝ちゃんは、恋に鈍感だから……」

なに⁉︎
やっぱりって………

すると、徹は私の耳元に顔を持って来て、

「陽奈乃ちゃんは、岩ちゃんが好きなんだよ〜？」

と言った……

それは、さっき聞いた……
もしかして、あの子、いろんな人に言いふらしてるの⁉︎
そんな子には見えなかったんだけど……

「……知ってる」

徹は、ものすごくビックリしたような顔をして、私の顔を覗き込んで来た

「分かってるのに、どーしてマネージャーやってくれないの？」

「だって、マネージャーが0になったらって話でしょ？
陽奈乃ちゃんがいるんだから、私には関係ない」

「約束と違うじゃん〜」

は？

私は、意味が分からなくて、徹を見た

「約束では、俺目当ての人がいなくなったらっていう話でしょ？」

……え？

そー言われてみれば、そーだった気もする……

"んじゃ、1週間経って俺目当ての女子マネージャーがいなくなったら真輝ちゃんやってくれる？"

そーだった……
思い込みって怖い………

ってことは、私、マネージャーやるの⁉︎

私は、徹を睨むと、徹はニコッと笑って、

耳元で"約束、守ってね"と私に言った

な、なにそれ〜〜〜‼︎‼︎