第3章 ちょっとだけ
やはり思った通り、体育館の前にはたくさんの女の子……
もう、心が折れた………
帰ろう……
「……ぉぃ! おい! 」
誰かが叫んでる声が聞こえる
なんか、一静っぽい声……
友達に飢えすぎてなのか、声が新しくできた友達に聞こえるとかどんだけ重症なの、私………
「…おい!」
近づいて来てる感じの声の大きさ
呼ばれてる人、気づいてあげなよ…
なんで思ってると、肩を掴まれた
…………えっ⁉︎
振り返った先にいたのは、本物の一静だった
「……な、なんで?」
「なんでって、お前の姿が見えたからだよ
俺の方がなんでだよ」
………???………
俺の方が……???
意味が……………
「なんで、真輝が、体育館を覗こうとしてたのかってことだよ!」
……あっ そういうことか!
あんなにマネージャーはやらないと言っていた私が何故ここにいるのかってことか!
「あぁ〜
マネージャーの数を見に来たんだけど、体育館の入り口前にいる女の子の集団に心折れて帰ろうと思ってたんだよね〜」
…てか、今気づいたんだけど、一静は未だに私の肩を掴んでる……
そんなに警戒しなくても、私逃げないのに……
「あのさ、ものすごく言いにくいんだけど…
手を離してもらっても……いい?」
一静は、何のことか分かっていないような顔をしていたけど、すぐに気づいたみたいでものすごい勢いで肩から手を下ろした
そんなに急がなくてもいいのに……
「……ごめん……」
「全然!
別に痛くもなんともなかったし」
「あのさ、聞いていいか?」
「……うん?」
……なんだろ……
今更改まって……
内心、ものすごくドキドキしていると…