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ひとつだけ 【ハイキュー!!】

第5章 新たな出会い






扉の向こうではまた ドゴッ!とかズガガッ!って音がしてる。



怖い怖い怖い……!!

ボールってどんな力で叩きつけられればあんな音が出るんですか…?
しかもそのボールを打ってた人、なんかすごい叫んでたし髪の毛ツンツンしてたし…!!!



思わず逃げ出しそうになったけど、ここで帰ったら今までの葛藤と勇気がパァだ。それはイヤ。



中からの音が聞こえなくなってから、もう一度 そぅっと扉を開ける。






開けた扉の隙間からまず見えたのは、さっきすごいスパイクを打っていたツンツン頭さん。

さっきはほとんど中を見れなかったから気がつかなかったけど、体育館にはほぼ人がいない。

出来るだけ大事にはしたくないからちょうど良かっ— 「あれー?お客さん?」


「きゃっ…!」

「あ、ごめーん。」



私の視界にいきなり飛び込んできた人影は、セミロングヘアーのおっとりした感じの、たぶん 上級生。
マネージャーさん…かな?
ひらひらと手を振りながら続ける。



「誰かに用事ー?」

「あっあのっ!こちらに赤葦…先輩っていらっしゃいますか…?」



セミロング先輩(仮)の目が不思議そうに開かれる。

や、やっぱりバレー部じゃなかったのかな…?
その表情に、小心者の私の心臓が どんどん加速する。



「へぇ〜… あいつにねぇ〜…」


今度はニヤニヤしだした先輩。
どうやら赤葦さんはいるらしい。でもなんだか雲行きが怪しい。



「赤葦〜、お客さーん。」



その言葉でドリンクを飲むツンツン頭さんの隣の人影が振り返る。
——赤葦さんだ。


近くに来た彼にセミロング先輩から一言。



「あんたも隅に置けないねー。」




やっぱり!なにかを勘違いされてる!!
当の本人は「?」って顔してるし!
私は忘れ物を届けに来ただけなんですから!

誤解を解きたいのもあり、どうしたの と言いたげな彼の前に急いで本とカードを差し出した。








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