第4章 再会
「探してる本があるんですが」
突然のアカアシさん登場に内心動揺しながら、
でもとりあえず、返事をして貸出カードの保管してある棚を開ける。
見上げれば、そこには相変わらずちょっと眠そうな目。
「新刊入荷の掲示で見たんですけど、見つからなくて。
『……』って言うんですけど。」
誰か借りてるのかな、と呟きコーナーに視線を向ける彼の表情はちっとも変わってないけれど、でも本当に探してる感じが伝わってきて。
…確かにアカアシさんが指した本は、今コーナーに置かれていなかった。
そして貸し出しもしていない。
確認しなくてもわかる。
……今ここで、私が読んでいる真っ最中だから。