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ひとつだけ 【ハイキュー!!】
第3章 複雑オトメゴコロ
あのあと。
まだ若葉色だった木々が、大きく立派な緑を茂らせるまで季節は移ったけれど、
返却に来た日以来、
アカアシさんを見ていない。
そのときだって、
「すいません」
「返却、お願いします」
「はい」
「ありがとうございました」
顔を上げて、本を受け取り、カードに判子を押して、カードを返す。
そのまま彼は図書館を出て行き、
それだけ。
ただそれだけなのに、私の中では強い存在感を放っている。
…できれば思い出したくない出来事、として。
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