第9章 夢
「お前、この足でこれから調査兵団でやっていけると思うか?」
「…これからたくさん訓練すればなんとかなります!」
「…死ぬぞ
そんな片足で立体機動は扱える代物じゃねぇ」
「…やってみなきゃわかりません」
「無駄だ
訓練兵団次席で卒業のお前が
そんなこともわからないか?」
「…リヴァイ団長
はっきり言ってください
…私は…調査兵団にはいらないって…
言いたいんでしょう?」
俯きながら消えそうな声で呟く
「ああ…足手纏いだ
無駄死には好きじゃねぇ」
「………………っ」
床に雫が落ちる
「明日中に荷物をまとめろ
明後日、馬車を出してやる
…お前はウォール・シーナにある施設へと移ってもらう
お前のような怪我人が住んでいる施設だ」
「そこでもっといい治療も受けられる
ああ、金は心配するな
クソ高えが…調査兵団の費用から出してやる
お前は何も考えず足の治療に専念しろ」
「困った時は地下街へ迎え
あのクソジジイが力になるだろう
…腕はあのジジイの方がいいんだがな
なんせを地下街に住まわせるわけにはいかねぇ」
「リヴァイ団長」
静かに聞いていたが声をあげた
「…なんだ?」
「私…このまま終われません!
これじゃあ何の為に調査兵団に入ったのか…っ
これでも、心臓を捧げた兵士です!
命尽きるまで戦いたい…っ!!」
涙でぐしゃぐしゃの顔を上げ
嗚咽まじりにそう言った