第7章 裏切り者
何も知らずに本部へ辿り着いたとリヴァイ
「……リヴァイさん…
これは一体⁉」
二人は崩壊した本部を目の当たりにし立ちすくむ
「みんなは…⁉
みんなはどこにー‼」
慌てるをよそに
リヴァイは本部があった場所を見つめる
「リヴァイさん…‼」
「ああ…落ち着け
この状態は…エレンが馬鹿やって暴走したか
それとも…巨人が現れたか
どちらだろうな?」
静かにそう呟くリヴァイに
が声を荒げた
「エレンが…⁉そんなことは…
それにここに巨人が現れたのなら
ウォール・ローゼが破られたってことですよ⁉
もしそうならここだけ被害を受けるなんてありえません!」
「あり得ない話でもないだろう
俺たちは巨人を殺す
…巨人の恨みを買って奴らがここに押し寄せてきたと考えると
おもしろいな」
フッと笑い出すリヴァイ
「…こんな時に何冗談言ってー」
「冗談はさておき
よく考えろ
敵は…何も外から来るわけじゃないだろ
壁の中にも敵はいる
お前もよく知ってるはずだ」
「あ……………」
「俺らに伝達が来ないとはな
チッ…めんどくせぇ…
ここがダメとなると
あそこか?」
リヴァイは遠くを見る
夕日で真っ赤に染まった空が
悲しく瓦礫の山を照らし出していた
「…リヴァイさん、どうしますか?」
「旧調査兵団本部へ向かう」
「旧…調査兵団本部…」
「少し前まで
俺たち特別作戦班が使っていた場所だ」
「あ……そう、なんですか」
「…行くぞ」
二人は再び馬で走る
(旧調査兵団本部…
リヴァイ班が使ってた…
今は…リヴァイさんとエレンだけになっちゃった
特別作戦班…)
リヴァイの背中が少し寂しそうに見えた