第7章 裏切り者
鎧の巨人の正体を告げられ呆然とするエレン
(ライナーが?
嘘だろ…
だってあいつは俺たちの兄貴的存在で
立派な…兵士だった
…なにかの間違いだろ…
今この場にライナーがいないのだって
なにかの偶然だ
俺は…巨人を…一匹残らず駆逐するんだ
…あいつの正体…俺が暴いてやる…)
「エレン!大丈夫?」
ミカサの声にハッとし顔を上げると
他の兵士たちは皆、鎧の巨人に向かっていた
「ミカサ!早く来い!」
鎧の巨人と応戦するハンジが呼ぶ
「!エレン…私…!」
「ミカサ!俺は大丈夫だから早く行け!」
エレンのその言葉に
コクンと頷くと、ミカサはハンジの元へ飛んでいった
一人
また一人と
犠牲になる兵士
その光景を目の当たりにし
エレンが再び自らの手を噛もうとしたその時…
「エレン!!!!」
ミカサの叫び声が聞こえた
エレンの目の前には
鎧の巨人
「っぐあ……!!!!」
一瞬の出来事だった
最初から目的はエレンだと言わんばかりのスピードで
鎧の巨人はエレン目掛けて突進し
その身体を掴む
そしてエレンを口の中へと運んだ
「エレン!!!!!!」
「エレンを……
返せぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
鎧の巨人に斬りかかるミカサ
ギィィーン……と
鳴り響く鈍い音
ミカサの刃が砕けた
「全員かかれー!!!!!」
エルヴィンの合図とともに
兵士達が一斉に斬りかかる
だが虚しくも傷一つつけられず
ただ刃が折れるだけ…
しかし
一箇所だけ蒸気を発してる場所があった
エルヴィンはそこを見逃さなかった
「膝の裏だ!そこを狙え!!」