第7章 裏切り者
「全員そろったか!?」
食堂ではハンジが声をあげていた
(ねぇ、ジャンがまだ戻ってこないけど…)
(なにやってんだあいつ…
まさかまた寝てんじゃないだろうな)
その時、食堂の扉が開きエルヴィンが入ってきた
「そろったか?」
「ああ」
「よし、みんな聞いてくれ」
突然の団長の登場に食堂の空気が一気に引き締まる
「いきなり集まってもらってすまない
今回の件で、みんなには色々と迷惑をかけた…
本当にすまなかった
今日の夜にはリヴァイらもこちらに帰ってこれるそうだ」
(帰ってくるね!)
(久しぶりだな!)
「ようやく全員そろうな
明日以降は徐々に調査兵団としての活動を開始してもらう
が、その前に………
この地下に幽閉していた
"女型の巨人"
こと、アニ・レオンハートだが…
今朝、ハンジが地下室に入ったところ
アニ・レオンハートの姿が消えていたそうだ」
エルヴィンのその言葉に食堂内がザワザワとどよめいた
特にアニと同期だった104期のどよめきは大きい
「あ…あの!!」
「どうした…アルミン」
「アニは…
アニ・レオンハートは…!
自力で脱走した…ということでしょうか!?」
「…それも考えたが
真実は何もわからない
しかし…」
「扉の鍵が工作されていた!」
ハンジが興奮した様子で口を挟んだ
「…だそうだ」
「私も入る時は気づかなかったくらい巧妙にね…
部屋を出ようとして再び鍵をかけようとした時に
壊れていることに気づいたんだ…
私としたことが…!!
久しぶりに会えると思って興奮していたせいだ…っ!!
こんなことにも気づかなかったなんて……!!!」
「と、いうことでだ
アニが自力で脱走した以外だと
必ず連れ出した犯人がいるということになるが…」
バタンッ
と食堂の扉が開いた
「おーい、ベルトルトがいねぇ………………
ぞ……………………」
(…ジャン………)