第6章 地下街
そして数日がたった
意識を取り戻したエルヴィンと共に
ハンジ、ミケは審議所へ訪れていた
今回の件は全て政府指揮官の独断によるもので
エルヴィンとリヴァイの暗殺計画にもかじっていたことを証言
その話によると
政府指揮官は壁の扉を埋め尽くし
未来永劫人類安泰を望んでいたそうだ
実際そう願ってる市民も少なくないとのこと
そういう連中にしたらわざわざ壁の外へ出ようとする調査兵団なんて
邪魔なだけでしかなかった
扉さえ埋めれば巨人は壁内に入ってこれない
なぜなら超大型巨人は扉しか破壊しないから
だったらその扉を埋め固めてしまえばいい
それが指揮官の言い分
奪われた領土を奪還するために壁外へ出て行く調査兵団に扉は必要不可欠
それに…扉を埋めて巨人の驚異に怯え
一生壁内で暮らすなんて考えは
残念ながら調査兵団に誰一人としていなかった
両者の言い分を聞き終わったところで
三つの兵団のトップ
ダリス・ザックレー総統が
ゆっくりと静かな口調で話し出した
「ガーグ・ツァイ指揮官…
政府の指揮官役の君が一つの兵団に固執することはあまり望ましくない
私も個人の宗教にまでとやかく言うつもりはないが
そのせいで人類の未来を託す調査兵団トップ二名が危険な状態に陥った
…自分の手を汚さず回し者を使ってな
これに関しては言語道断
結果はもう決まっておるが…
何か言うことはあるかね?ガーグ
中央で鎖で繋がれた指揮官がうな垂れながら
「…何も言うことはない
だが私は間違ったとは思っていない…
あんな扉は塞いだ方が人類のためなんだ」