第4章 日常
………
……………
……ん………ここは?
見渡す限り真っ白な世界
かろうじて見えるいつもの見慣れた壁
(ここは?壁の外……?)
(なぜ俺は壁外にいるんだ?)
(他の奴らは…?)
……
何かがおかしい
巨人の姿も見当たらない
それどころか
この世界には俺以外誰もいないような
そんな静かな世界
ふと
ある場所で目が止まる
(なんだ…?)
かすかに見えるその場所まで
白い世界を進んでいく
(あれは…人…か?倒れてる?)
自分以外にも誰かがいた
それに少しホッとするのと同時に
起こる胸騒ぎ
近づくにつれ
重くなる足取り…
速まる心臓
震える体
自分の意思とは無関係に出てくる
涙…
(なんだこれは…
俺は…どうしちまったんだ…)
ようやくその"人"のところまでたどり着いた
…………
ーな……………に?
そこにいたのはあお向けで倒れる
…………?
(なにしてんだこんなところで……)
(なんで)
(おい…起きろ)
真っ白な世界で眠る
真っ白な……の姿
血の気のひいた
透けるような白い顔
流れ出る…赤…
震える手での体に触れる
(冷てぇ…)
(俺は…守れなかった…のか?)
(………)
(…………………な)
「死ぬな‼」