第3章 〜I’m Lovin You!〜
木兎光太郎。
その名は、いずれ世界に羽ばたく人の名である。
その人は、気さくで、格好良くて、思いやりもあって。ちょっとだけおバカだったけど、私には勿体ない人。
その人は、バレーが大好き、声が大きい、でもさりげなく気を使える人で。本当に勿体ない人だった。
1つ年上の私を、妹のように手懐ける大きな掌は、きっと絶対に忘れない。
いつも、2人で笑いあってた。悲しいこと、嬉しいことお互いに慰めあったりもした。
でも、何処かで歯車が噛み合わなくなったのか。
私と光太郎は、何でもない関係に戻ってしまった。
この話は、私と光太郎が、まだ幸せに過ごせていた時の思い出の話である。