第1章 東京国立病院
side
平成の終わり時...
日本で一番大きいと言われる
東京国立病院で...
院長「。お前は、胸部外科医と結婚して、時期院長の妻になるんだよ。」
「またそれ?」
院長「お前には家の名を残してもらわないと困るよ。」
「じゃぁ、好きになった人が胸部外科医だったら、そのまま結婚しちゃおうかな。」
院長「ただの胸部外科医じゃだめだぞ?この病院にふさわしい胸部外科医じゃないと。」
「はいはい。」
この会話は、もう何十回も、何百回も聞いた。
朝からパパの部屋(院長室)にいくと、いつもコレだ。
正直、耳が痛い。
院長「親孝行はそれで十分なのだが?(笑)」
「ソウデスカ。考えておきますネ。」
あー言えば「胸部外科医」。
こー言えば「家」。
頭のお堅いパパだ。
でも、いいパパだと思う。
院長「ははっ、そうしておいてくれ!」
「はーい。失礼します。」
業務時間外は私のパパだけど。
業務時間内はあくまで「院長」だ。
この病院で一番えらい人だ。