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ストーカーと俺の恋模様

第1章 俺だけのストーカー


あぁ…また今日もあいつがおる…。


歌番組やテレビの公開収録
いつもいつも他のやつには目もくれんと
ただいつも俺だけを見つめる目。


あの目に初めて気付いたんは
いつやったっけ?

なんかすごい昔のような気もするし
すごく最近なような気もする。


まぁ結局そんなことは
どうでもいいってことなんやけど(笑)

やから

「ねぇ、ねぇ、しぶやん?
今日もあの子しぶやんのこと熱烈に見つめてるね?」


そんな丸の言葉にもめんどくさくて


「ん……」


短く返事をするだけ。



丸が客席に笑顔で手を振ると

"キャー"なんて歓声があがる


「あーぁ、

やっぱりあの子だけは笑ってもくれへん(涙)」



そんな丸の言葉にちらり客席にの方に目を向けると
ものすごい真顔で俺を見つめるストーカーと目が合う。



「なんか悔しいからたまにはしぶやんも手振って?」



なんて声と一緒に急に丸に持ち上げられた手を
ひらひらとそいつに向けて面白半分に振ってみると



"キャー"なんて回りが騒がしくなるなか

そいつはキョロキョロとすごい勢いで
回りを見渡したあとすごく嬉しそうに俺に向かって
手を振ってくる…


「うわー、やっぱりしぶやんだけなんや(涙)」



なんてなぜか悔がる丸の声を聞きながら俺は



あまりに無邪気に手を振り続けるストーカーに


本番中やのに


思いきりよく吹き出してしまった……
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