第17章 災難は突然に…*高尾
一番の事件は、部活中に起こった。
真ちゃんにボールが当たり、打ち所が悪かったみたいでそのまま倒れた。
その場から離れていた優ちゃんは、それを見ると顔を真っ青にした。
「真くんが…私のせいだ…」
優ちゃんは、小さくふるえその場に崩れ落ちた。
保健室に運ばれる真ちゃんを見送る間もふるえ続けていた。
「ごめんなさい…私のせいで…ごめんなさい…!」
ずっと謝り続ける優ちゃんを見ていられなくなった。
「優ちゃんのせいじゃない!!」
オレは叫んでいた。
優ちゃんは驚いたようにオレを見上げた。
「でも、私、真くんのラッキーアイテムなのに…側にいなかったから…」
「優ちゃんはアイテムなんかじゃないだろ!1人の女の子だ!」
素直すぎる彼女をオレは強く強く抱きしめた。
ちなみに、後で先輩たちにどやされました。
…特に橘さん。