第16章 伝えられない思い*黄瀬
数日後、教室にて。
「優?大丈夫?」
そんな声が聞こえてきて、俺は優っちを見る。
顔色が悪い。
「うん…ちょっと夜更かししすぎたかな?顔洗ってくるね。」
そう言って立ち上がろうとしたが、足に力が入っていない。
体が傾き、そのまま倒れた。
「!!優っち!」
俺はとっさに駆け寄った。
「優…!」
「えっ?どうしたの?」
「茶倉が倒れたらしいぜ。」
みんなが動揺し始める。
「…俺が運ぶッス。」
それだけいうと優っちを抱きかかえて保健室に向かった。
教室はざわざわと騒がしかったが、俺の耳には届かなかった。