第15章 ライバルは多いのだよ*緑間
「じゃあ俺もチャリアカー取ってくるわ♪さすがにあのままじゃまずいしな~」
茶倉が誠凛のところへ行った後。
高尾もそう言って行ってしまったので、俺は何となく体育館の外にいた。
「あっ!緑間っちじゃないですか。」
○○っちという独特な呼び方。
その声の主の元に、俺は歩み寄った。
「黄瀬。」
うっすらと笑っているその顔に、無性に腹が立った。
こいつ…負けたばかりなのに…
「なぜ笑っているのだよ。」
「んー?何でッスかね~?負けたのは悔しいッスけど…なんか清々しいッス☆」
力無くははっと笑う。
「緑間っちも相変わらずみたいッスね。今日はそれッスか?」
「ああ。今日のラッキーアイテムは蛙のおもちゃなのだよ。…ちなみに双子座は最下位だ。まさか負けるとは思わなかったがな。」