第14章 月の光*黒子
「…ス、スカウト?」
突然のことで戸惑い、目を泳がせている。
「そうだ。優、一軍のマネージャーになってくれないか?」
赤司くんは茶倉さんの手首をつかみ、そのまま引き寄せた。
「…!」
「返事は?」
違った光彩を持つ二つの目が茶倉さんを捕らえる。
彼女はその瞳に吸い寄せられるように、こくりとうなずいた。
「な、なんで茶倉が一軍に行くんだよ!?」
その声で、皆一斉に抗議を始めた。
「そ、そうだなんで!?」
「茶倉は俺たちのマネージャーだろ!」
ざわざわと騒ぎ出したが、それもすぐ止むことになる。
「静かにしないか。」
その赤司くんの言葉に、声が…空気が静まり返った。