第12章 なんかイラつく*高尾
「今日も綺麗…♪」
優ちゃんの声が空に溶ける。
「相変わらず、お前は空が好きだな。」
「うん…空はどこまでも広がってて…知らない人とも繋がれるから…」
「そうだな。中学の時からお前は変わらないな…」
「えぇ?そうかなー?紅子先輩みたいに格好良くなりたいなぁ。」
「いや、お前はお前だからな。無理に変わらない方がいい。」
…なんかすっげー疎外感。
確かにオレは中学は別だった。
でもはぶられすぎだろっ、これは!
なんか、イライラしてる。
しかも真ちゃんだけに。
(やっぱり、オレ…優ちゃんが……!)
優ちゃんが好き。
そう実感して、複雑な気持ちになった。