第65章 記憶と思い出*緑間
ポケットに入れたままのケータイのバイブがメール受信を知らせたのは高尾と昼食をとっている時だった。
高尾にも同時に来たようで、慣れた手つきでスマホを操作している。
余談だが。
スマホって色々できて便利だぜと高尾はいうものの、通話とメール以外必要ないので俺はガラケーのままである。
…茶倉がTwitterやってると聞いたときは、なびきそうになったが。
「真ちゃん、メール見ろよ!」
その声で我に返る。
高尾に促されメールを開くと、春音さんからだった。
「…!茶倉は目覚めたのか。」
無事だとわかり、心にあった重いものが消えていくような感覚。
ほっと安堵する。
が、
「続き見ろよ。」
「っ…!」
後半に書かれていた一文。
『心苦しいけど、優が落ち着くまで会うのは控えてもらえるかな?』
ここから最悪の事態を考えるのは容易だった。