第64章 知らされる過去*茶倉
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数日後、千秋がやってくるという。
私はこの日に向けて準備をすることにした。
本を読み終わった後しばらくして、三人に連絡した。
一人は、お母さんを通じて千秋へのお願い。
了承をもらった。
そしてもう二人には自分で…
『一緒に私の過去を聞いてもらえませんか?』
この一文を打つのに苦労した。
メールは簡単に送ることが出来るけど、それでも大切なことは伝わるって思う。
なんで二人と一緒に聞きたいと思ったのかは、自分でも定かではない。
一人で聞く自信が無かったのかもしれない。
怖かったのかもしれない。
自己満足だったのかもしれない。
もしかしたら慰めてほしいだけなのかも。
憶測はどこまでも広がる。
でもこれは確かだ。
二人はに私のことを知ってもらいたい。
そして、二人は知る権利がある。
本文を何回も読み直し、最後にアドレス欄に名前を入れる。
『高尾和也』
『緑間真太郎』
(うん。)
送信されました、という画面表示にそわそわと不安定な気持ちになった。