第58章 風邪。*茶倉
「…美味しい。」
甘いものを久し振りに食べてほっこりする。
「だろ!優ちゃんが好きそうなの選んできたんだぜ!」
言葉通り私の好みのものが揃っている。
「ありがとう。」
私は改めてお礼を言った。
ケーキはもちろんだけど、いつもみたいに接して私を元気づけるために来てくれたと思うと嬉しくなった。
「こっちこそ、笑ってくれてありがとな。」
気恥ずかしくて、黙々とケーキを食べ続けた。
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「美味しかった~!」
「よし、それじゃ寝なきゃな?」
「えっ…?」
そのまま抱き上げられた。
いわゆる、お姫様だっこというやつだ。
「お、降ろして!」
足をばたつかせる。
「元気じゃねぇかよ。」
「~っ!」