第38章 試合の行方*茶倉
「茶倉!?風邪を引くぞ!」
「真くんこそ!こんなに濡れて…」
そこで会話が止まる。
その間にも雨は私たちの体をぬらし続けた。
「ごめんなさい…」
「なぜ茶倉が謝るのだよ?」
「だって…最後の予想できたかもしれないのに…!」
悔しい。とっても…!
一度出た言葉は止まらなかった。
「テツくんがなにか仕掛けてくることぐらい…わかってたはずなのに!過去の経験を知ってるはずなのに!全然生かせなかった…!私の…」
「茶倉。」
静かにだけどはっきりした声で遮られる。
「負けたのはお前の責任ではない。」
強い瞳に見つめられる。
「今回は負けたが…次は絶対勝つのだよ。」
強い意志を感じた。