第35章 キスの魔法*高尾
優ちゃんを探してたと言うと、
「ご…ごめんなさい…!」
ちっちゃくなって謝られた。
(なに…この可愛い動物…!?)
心臓がドキドキと音を立てる。
「で、優ちゃんなんでここに…?まさか誠凛のやつらに!?」
そのドキドキを隠すようにオレはそう言った。
「違うよ~!ただ、お話ししてただけ。…迷子じゃないからね?」
どうやら、迷子だって認めたくないらしい。
視線をちょっとそらしながら、やや頬を赤める優ちゃん。
でもオレには見えてるぜ?
ちょー可愛いっ!今すぐ抱き締めてぇくらい!
でもここだと誠凛の奴らがいるし…
「早く帰らないと怒られるぞ。」
そんなこと言って優ちゃんを連れ出した。
…誠凛の女監督がニヤニヤしていたのは気のせいか?