第34章 迷子…です…。*茶倉
(ここ…どこなのかな…?)
体育館は合ってるはず。
でもどこかわからない。
ここがどこかも…
みんながどこにいるかも…
「うう、誰か…」
資料の入った鞄を抱きしめながら、ぽつりと呟く。
でももちろん誰も来ない。
心細い。
…寂しいよ。
涙がつたう。
(こんな所で泣いてても意味ないのにな…)
わかっていても涙があふれてくる。
「あの…大丈夫?」
「えっ…?」
一人の男の人が声をかけてくれる。
…どこかで見たことあるけど、記憶がぐちゃぐちゃしてる。
「助けて、ください…」
思わずそう言っていた。