第32章 インターハイ!*高尾
「…と、次は正邦だね。」
DVDを入れ替えて再生ボタンを押す。
(…?)
「なんか独特な動きだな…?」
「あっ、気づいた?なんか難波走り?ってやつを取り入れてるんだって!だからこんなディフェンスでも最後まで体力が持つの。」
「特にこの坊主頭の奴しつこいなー」
「ああ、津川君でしょ?」
「知ってんの?」
「ん、まあね。」
「オレたちは津川とやったことがあるからな。始めたばかりとはいえ黄瀬を止めた。」
「あの黄瀬を!?」
(黄瀬…黄色いの…!)
桜花ちゃんの『黄色いの』が頭をよぎって笑いそうになったけど、なんとか堪えた。