第29章 明かされる過去~前編~*茶倉
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~現在~
「ってことがあったの。…それからあの日からの記憶は取り戻したんだ。そしてあの日以降のことは全て覚えてる…」
「………」
「………」
2人とも真剣に聞いてくれた。
そのせいもあってか、それほど苦痛もなく話せた。
(でも…こんな話、やっぱり迷惑だったよね…)
ずっと黙っている2人を見たら段々不安になってくる。
その場にいるのが、怖くなってきた。
(2人から離れたくない…)
でもそうするためにどうすればいいかわからない。
「迷惑だったよね…。ごめんなさい。」
正解じゃないとは思うけど…
私はその場から逃げ出す道を選んだ。
ドアに向かって走る。
「待つのだよ」